熊野古道 大辺路無泊旅114km④完
それでは、大辺路の最終章、振り返っていきます。
どうか、彷徨うおっさんにお付き合い下さい。
(いい加減、はやく終われー!!)
80km走って串本へ到着しました。
日が昇ってきて、気分もいい感じです。
本日は、晴天です。
串本では内陸側のルートと海際のルートがあったけど、もちろん海際をチョイスしました。
海際ルートには橋杭岩があるので見てみたかったのです。
しばらく走っているとビーチ(橋杭海水浴場)に着きました。
サンサンと照りつける太陽とビーチが相まって、南国気分でした。
ビーチを走っていると、遠くの方に存在感のある岩が見えてきました。
橋杭岩です。
空も岩も、海もすごく綺麗でした。
いっぱい写真を撮りました。
観光客も沢山いて、写真を撮っています。
橋杭岩とビーチで、テンションが上がり意気揚々と走れました。
橋杭岩をあとにして、古座駅に到着しました。(約90km地点)
ここからルートが大きく2つに分かれます。
こちらも内陸の山ルートと海際のルートです。
メジャーなのは海ルートっぽいのですが、山ルートの方が見どころが多そうだったし、累積標高も稼げそうだったので、トレーニングになる山ルートを選びました。
高池の虫喰岩というスポットまでロードを順調に走っていました。
しかし、その先の公園から山へ入るようにと、地図で示されていて、そのまま山へ進んでいったらメチャメチャ迷いました。
たぶん、ロードなら10分くらいで通過できる所を小一時間くらい彷徨っていました。最終的に正しいルートが分からず、スマホのGPSを頼りに急斜面をよじ登り、藪を漕いで無理くり元のロードへ戻りました。笑
はぁ、疲れる~
予想外の難所でしたが、そこからはロードを淡々と走って八郎峠への登り口を目指しました。
八郎峠への登り始めは、ちょっと荒れていて、人があまり通っていないのか?と不安になりましたが、登って行くにつれて整った道へと変わっていきました。
八郎峠までは傾斜もそれほどキツくありませんでした。
峠にはお地蔵さまがいます。
そして、お地蔵さまと反対方向へ進んでいくと八郎山があります。
少し寄り道に、八郎山を登ってきました。
古道とは違って、けっこう傾斜がキツイです。
山頂はパノラマ大展望で、登って良かったぁって思う景色でした。
八郎山から再び峠へ戻り、下って順調に次の市屋峠、ニ河峠を通過しました。
ニ河峠付近は、ちょっと高くて危険な所があったり、明らかに「コレ古道じゃないでしょ」ってツッコミたくなるような箇所もありました。
ニ河峠を下った先には小川があって、その対岸へ行くためには、地図上では大きく迂回して橋を渡らないといけません。
しかし、青い手作りの案内板は河原へ向かうように指しています。
河原へ降りてみると、小川に石が敷かれていて迂回せずに渡れるようになっていました。
恐らく地元の人がやってくれたのでしょう、ありがとうございます!!
そして、それ以上に驚いたことがあります。
なんと河原にマグロの頭が落ちていました。
いくらマグロの有名な南紀でも、コレにはビックリ。
カラスが何羽も集っていました。
まだまだ食うとこありそう~
もったいないなぁ~
走っているとターコイズブルーの湖に出ました。
近くには温泉が湧いているようで、温泉旅館がいくつもありました。
「ずいぶん山奥にきたなー」と思って走っていたら
【ここは海抜5mです】との案内板が····
めっちゃ低いやん。
山奥の湖だと思っていたこの場所は、実は海辺の汽水湖でした。
グネグネ走っていたので、自分の現在地を全く把握できていませんでした。
「こんなに海辺に来ていたとは」
ロードを早歩きしているオバサンに追い抜かれまいと頑張って走りました。
そして、今回最後の峠となった駿田峠を登りました。
峠には加寿地蔵というお地蔵さんがいて、身内の安全を祈願しておきました。
峠に到着する寸前、前におばあさんが歩いていました。
ちょっとの間、加寿地蔵に参ったあと、峠を走って下ったらさっきのおばあさんに追いつくだろうと思って走っていたのですが、一向に追いつきません。
途中、道の何もない所で線香の香りがしました。
分かれ道もないし、けっこう走ったのに追いつきません。
とうとう最後まで追いつきませんでした。
あのおばあさんは、忍か? 幽霊か?
そしてロードを走って那智駅を目指しました。
走りながら先の事を考えました。
那智駅からその先の新宮までは走った事があります。
そして、新宮から川端街道を走って熊野本宮大社へ。
あと50km以上はあります。
時速5kmで進んだら深夜2時に熊野本宮大社へ到着です。
翌日のバスは7時14分なので5時間以上は待たないといけません。
頑張れば頑張るほど早く着くので、待つのが大変になります。
寒いなかこんなに長く待てるだろうか?
ライターを買って、山で焚き火をして凌ぐか?
進めないことはないけど、右膝の後ろに違和感がある。
那智駅の終電を調べてみました。
間に合うじゃありませんか。
キリがいいし、もう帰ろう。
帰ると決めたあと、すぐにコンビニに入ってウインナードックとハムマヨパンを買って食べあさりました。
そこからのんびり歩いて那智駅到着です。
これにて大辺路完了です。
帰りの電車は最寄り駅まで5時間半かかりました。
終電なので、絶対に寝過ごしてはいけません。
紀勢本線はワンマン列車でディーゼルエンジンの汽車がゆっくりゆっくりと進んでいきます。
乗客はだいたいみんな寝ています。
南紀は時間の流れがゆっくりだわぁ。笑
そこがまたいいところ。
後日、動画にまとめてみましたのでUPします。